短編小説

2017年1月29日

オリジナルの短編小説一覧です

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    [小説]今年の桜はあなたとみたい
    -  立ち上がりながら隣の様子を横目で確認して、私はのんびりと帰りの支度をはじめた。 何度もデスクを整頓し、ポーチや手帳をかばんに仕舞い、忘れ物がないか、引き出しの中までしつこく確かめる。 仕事はあれほどテキパキしているのに ...続きを読む
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    [小説]哲学少女
    -  行儀悪く新聞紙を片手に開きながら、もう一方の手で食べようとして失敗した。 新聞に目を落としたまま、口を開けた間抜けな姿で、一瞬の間、時が止まった。 朝は少し早めに家を出て会社近くのカフェに立ち寄り、こうしてニュース記事 ...続きを読む
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    [小説]声
    -  何故この家はこんなに寒々しく、恐ろしいのだろう。 子供時代から厭だった場所である。しかしもういい加減、十五年も経っているのだから平気だろうと思っていた。 やはり駄目だったようだ。むしろ年月を経て、より不快さが増した気が ...続きを読む
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    [小説]旅するブルー
    - ハロペリドール、デスパ、ハルシオン。 呪文みたい、と思いながら白い紙袋を開け、名前をいちいち口に出して手のひらにのせる。 粒の量を目で追って確認する。 いち、に、さん。 よし、だいじょうぶ。 これでもう寝られる。だいじょ ...続きを読む
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    [小説]アンの薬壜
    - あぁ、膝小僧に水が溜まっちまったと昔の芸者風に忌々しく云うのは、今居る中では一番の年輩である小暮花。 畳の敷かれた控室でスカートを捲し上げて膝を立て、ジャガイモみたいな骨っぽい膝小僧を大事そうに撫でている。 「花さん、今 ...続きを読む

Posted by ayapan