[映画]シング・ストリート

2017年2月20日

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[あらすじ]
街で見かけた超絶美少女の気を引くために「バンドやっているからMVにでない?」とかっこつけて思わず口走ってしまう少年コナー。
それをきっかけに慌ててバンドを組み、本気で音楽に取り組みながら、恋愛とも真剣に向き合い成長していく様を80年代を舞台に描いた青春音楽ムービー。
106分。アイルランド

 

中学の頃、仲が良かった友人4人で妄想のバンドを結成した。

妄想のバンド、という時点でかなりホラーだし、黒歴史の匂いがプンプンすると思う。

まさにあの時代は、思春期真っ只中、私の中二病最盛期だった。

なぜバンドだったのかとか、理由は自分たちにも定かでない。

「中二病だったから」としか言いようがないのである。

 

結成したのは「クレイジーKTPN」というバンドだった。

KTPNはあだ名を1文字ずつとったもの。

我々4人は、クラスの中でも非常にふわっとした存在で、

キラキラしてオシャレや恋愛にキャッキャしていたわけでも、マンガやアニメにハマるオタクタイプでもなく、

日々、映画や洋楽の話をしたりする、キラキラでもオタクでもない中立派の文化系だった。

 

そんな私たち、とりあえずバンドといえばかっこいいCDジャケットがほしいね、

ということでよく撮影をおこなっていた。

夕暮れのロッカー前や、トイレで。他の友人にカメラマンを任せ、かっこつけた写真を何枚も撮った。

横文字の痛いタイトルを考えたり、ひたすら外見だけ飾りつけながらも、

肝心の楽器なんてもちろん弾かないし、弾く気もなかった。

 

私たちは4人でつるむ事をバンドと称していただけにすぎない。

友達とバカみたいなことをしているだけで楽しかったのだ。

将来どうするなんて漠然としか考えてなかったし、只々今を楽しみたいだけ。

中学時代なんてそんなもんだった。

 

「シング・ストリート」の彼らもまた、当時の私たとち同じ年の中学生である。

しかし彼らは本当にバンドを結成した。

妄想を妄想で終わらせず、自分たちの手で現実にした。

逃げなかった。

恋という壮大なパワーと、若さゆえの勢いで立ち向かった。

 

バンドとしてやっていくうちに自信がついた主人公のコナーは、野暮ったい子どもから

実際にめちゃくちゃかっこよくなり、作る音楽もどんどん完成度が高くなっていく。

「かっこつけたい」という純粋な気持ちはなによりも強いのだなぁと改めて思ったし、

何事も真剣にやること、とにかくやってみることって大事なんだなと勇気をもらった。

 

夢を持っているけれどイマイチ一歩踏み出せないような、

悩み多き少年少女に観てもらいたい映画である。

シングストリートたちの無鉄砲さと、懐かしさを覚えるシンセサイザーの音に、心躍ること間違いなしだ。

ほうきをギター代わりに、教卓に立っていた当時のアホな自分にも観せてやりたい。

 

 

[おすすめシチュエーション]
うすら寒い冬晴れの日に、昼間っから外国製のビールを瓶のまま飲み、

皿いっぱいのナッツをつまみながら昔からの友人ら4、5人で観る、できたら爆音で◎

 

(80年代音楽詳しいとより楽しめる映画です。

「フィルコリンズを聴いてる男に女は惚れない」というセリフには笑いました。

ちなみに私が挿入歌で一番好きな曲はホール&オーツの「マンイーター」