[エッセイ]合コンに行ったらキャッシュフローゲームに誘われた話[後編]

2017年2月4日

さて。前編の続き。

 

私が連れていかれた件のゲーム会場は、雑居ビルの中の貸し会議室であった。

すでに2、30人の参加者がいて、私たちが入ると一斉に自己紹介がはじまる。

大学生、会社員、研究者、ニート、など様々な人種が集まっていた。

お菓子がたくさん用意されていて、好き勝手食べていいよーという、アットホームな環境の中で、

談笑しながらボードゲームの準備が進められていく。

 

 

なるほど、キャッシュフローゲームというのは人生ゲームみたいなものだった。

ひとりひとり駒を持ち、サイコロを回して出た目の数進み、とまったマスのことを行う。

人生ゲームと違うのは、

まずマスに書かれた内容が「株を買う」とか「不動産投資」とか、リアルなものであるという点。

そして、最初にボード上に書かれた数多くの夢(ex:カリブ海に別荘を持つ、モナコのレースを見るなど)の中から、

自分が好きな夢を選んでそれを皆の前で発表するという点。

その設定した夢を達成するために、ラットレースから抜け出して金持ちになることを目指す、

例の本に書かれた思想を反映させたゲームだった。

私はわけがわからぬままとりあえず株を買いまくり、売りまくり、不動産投資しまくった。

なのに周りから「センスあるね!」「なかなかここまで大胆にできないよ」とベタ褒めされる。

私みたいなバカのお調子者は「そ、そう?」と簡単にその気になるからよくない。

 

遊び自体、怪しいことはなにもない。

投資とか不動産購入のタイミングの勉強になるといえばなるのかもしれない。

でも一応、こっそりその会の様子を胸ポケットに仕込んだペン型カメラで撮影、録音しておく。笑

 

途中、会場の後ろから男性が入ってきた。

すると皆一斉に立ち上がり、

「あ、Mさんだ!」「Mさんがいらっしゃるなんて!」と大興奮。歓喜の声。

 

「すごいよ!Mさんが此処に来るなんて、なかなかないことなんだよ!」

隣でT君も興奮している。

登場したMさんというのは、ベンツに乗ってて、なんかすごい仕事をしていて、

なんかめっちゃ金持ちらしい(語彙力)

そして先ほど会った女社長の旦那さんだという。

 

「Mさんもはじめはこのボードゲーム会に参加していたんだ!」

雲の上の存在に出会ったというような恍惚とした表情に、

宗教的で奇妙なものを感じた。

 

それからしばらくして決められた制限時間内に何人かがラットレースを抜け出し、

金持ちコースに突入したところで会はお開きとなった。

私は褒められたくせに結局ラットレースから抜け出せず、ひたすらぐるぐる同じボードの上を回っていただけだ。

 

「私、お友達になりたいな!」

と会社を興そうと考えているらしい女の子が名刺を渡してきた。

どうやらここにいる人は、みんなこれからなにかしらの仕事をはじめようと考えているようだ。

だからニートの私が誘われたのか、とようやく合点がいく。

 

帰り際、近くにいた若い男の子と会の主催者らしき男性が、

「親もいきなりお金を借りるって聞いたらびっくりするだろうから、

しばらくは内緒にしておいたほうがいいよ」

と小声で話していた。

純粋そうな彼は、はい、と素直に頷いていた。

 

「金借りるとか絶対やめな」と、そのあとこっそり耳打ちしたけれど、

彼は大丈夫だっただろうか。

 

その後も何度かT君から連絡が来たが、

もう一切返事はしていない。

「高級食材だけを使ったハイパー高級料理教室に女社長と行くんだけどどう?」

とかはちょっと楽しそうだったので、もう少し付き合ってみてもいいかなと思ったけれど、

十分面白いものが見られたし、これ以上周りを固められて付きまとわれたら面倒なのでやめておいた。

 

合コンには宗教勧誘やビジネス勧誘など、いろんな罠があるとは聞いていたけれど、

まさか私も誘われることがあるとは。

私は疑いまくっていたけれど、本当に勧誘しようとか騙そうという気があったかどうか、真相は藪の中である。

だけどそれからしばらくの間、人見知りの私が

「人脈増やしたいから1か月で20人は友達つくりたい!」とか大真面目に言っていたので、

若干洗脳されかかってたのかも笑

 

合コンだけじゃなくて、街コンとか、

最近流行りの「相席屋」なんかにもそういうマルチ勧誘の場として利用している人はたくさんいそうだ。

もし私が詐欺師なら相席屋なんて、タダで飲めて、うまくいけば勧誘に引きこめるのだから、毎日行くだろうなぁと思う。

 

皆様も気をつけましょうね。

私が言うのもなんですが、危険なので面白半分でついていかないこと!笑

エッセイ

Posted by ayapan