[エッセイ]得意料理はロールキャベツ最強説

IMG_4880合コンなど、男女の出会いの場において男性が訊いてくる質問のなかに

「得意料理はなんですか?」

というのがある。

これは料理スキル、キッチンに立つ頻度、食べものの好み、など様々な重要事項を含んだ非常に複雑な質問であるので、安易な気持ちで答えてしまってはならない。

じっくり思案していきたいところである。

 

私はこの件に関してわりと真剣に考え、周りの男性に聞きまくり、

「得意料理に関する質問になんと答えるのが限りなく正解に近いか」を導きだした。

尚、異論は随時受け付けております。

 

まず、「得意料理は肉じゃがです♪」に関して考えてみよう。

 

これは近年使い古されたネタであり、「ありきたり」「ベタ」という意見が非常に多かった。

さらに悲しいことに「あざとい」という意見もみられたのである。

男受けを狙って肉じゃがと答えたのに、

あざといと見破られるのはかなり恥ずかしいし、なにより痛い。

 

もうほんとに肉じゃがが得意で、自信満々で、亡き祖母から受け継いだ家宝ともいえる究極の一品であり、

そんなわけでどうしても肉じゃがと答えたいのであれば、

「肉じゃが、ほんとに得意なんですよ。あ、ベタだな~とか思いました?笑 でも、私の肉じゃがを食べれば納得しますから♪」

と、意中の男性に手料理を振舞うようなシチュエーションに持っていくのも手である。

 

「得意料理はパスタです♪」に関しては、

揃って「あんまり料理してなさそう」「パスタなんてできて当然」

という辛口な意見をいただいた。

最近は男性もパスタくらい作れる、という人が増えたからであろう。なのでおススメはしない。

 

「大親友の彼女の連れ おいしいパスタ作ったお前 家庭的な女がタイプの俺 一目惚れ」

と、いつか湘南乃風が歌っていたが、そんなので落ちてくれる男はもうほぼ絶滅したのである。

「パスタ作ったら家庭的認定ってこいつチョロすぎない!?

おいしいパスタってそれ、ゴミ箱みたら下の方にレトルトの袋捨ててあるかもしれないからな!」

とツッコまれる可能性大なので、今は厳しい時代である。

 

パスタと答える際には

「以前トラットリアの厨房で働いてて、パスタ全般得意ですね」

くらい付け加えてあげれば問題ないと思う。少々言い分けがましいが、このくらい自信がないとパスタと答えてはいけない。

ただし、「麺から作ります」とか答えると、こだわりすぎて怖がられる可能性もあるので、あくまでそれは趣味を尋ねられたときに答える程度にしておいたほうがよい。

 

肉じゃがとパスタを合わせたような反応として、

「ハンバーグ」という回答も、意外と好ましくない意見が多かった。

かわいい彼女がはじめての手料理で煮込みハンバーグとか作ってくれたら、

かわいいな~おいしいな~と思うのかもしれないが、得意料理にハンバーグとあげられても特に料理上手とも思えず、

ベタだし、ポイントはあがりもしないし下がりもしない。

普通で、つまらなくて、話が盛り上がることもない。

 

以上のことをまとめると、「得意料理は?」という質問に対しての回答は、下記の点が重要であると思われる。

  • ベタすぎない
  • 簡単ではない
  • 会話が終わらない

 

そこで!

私はロールキャベツと回答するのがよいのではないかと考えた。

 

作り方としてはハンバーグとほぼ同じ、それにキャベツを巻いて煮込んだだけである。

が、なんとなく手が込んでいる風である。

そして、きちんと料理する人でないと「ロールキャベツ」という忘れがちメニューの名前は挙げないのではないだろうか。

ロールキャベツがある洋食屋というのも減ってきているし、家庭でもあまりでてこない。

そういえばそんな料理あったな、というノスタルジックな風情がある。

でも、ロールキャベツというと、わりと好きな男性は多いのだ。(私調べ)

というか男の人はだいたい煮込む系の食べものが好きだ(私調べ)

 

実際「得意料理は?」という質問に対して実験的に「ロールキャベツ」とひたすら答えて続けてきたのだが、

これに関して文句を言ったり辛辣な意見を述べたりする者はおらず、むしろ

「へぇー結構料理好きなの?」といったポジティブな質問を投げてくれるのでなかなか好感触であった。

そんなわけで私としては経験上、少なくとも失敗はなかったので今後もロールキャベツでいこうと思っている。

 

しかし、最近調査する上で「ボルシチ」説もあがってきた。

 

和食が得意、というのもいいけれど、外国料理をあげるのは非常にレベルが高い。

料理スキルがあまりないうちから、和食を飛ばしていきなり海外に挑戦することはしないだろうという推測を生み、

「ということは、もしやこいつ、料理上手か……?」

となる、らしい。

意外性もあり、なんでそこなの?と会話も弾みそうだ。

 

このように、得意料理という質問はなかなか難しいのでよく考えて「これだ!」という回答を用意しておいた方が良いだろう。

ただし下手すると

「この女の答えるスピード……さてはどこへ行ってもボルシチと答えているな」

と遊び人認定されることもあるのでお気をつけて。

 

ちなみに先日、私が勤める精神科クリニックの院長に

「なんて答えたらウケがいいですかね」と訊ねたところ、先生の意見はこうだった。

 

「和食とかもいいけど、レトルトでも売っているような、例えばミートソースとかもちゃんと手作りしてますっていうと、料理好きなのかなって思う」

 

なるほど、じゃあミートソーススパゲッティが得意ですっていうのがいいのか!?

と、だんだん考えすぎて、絶対ダメ!と否定し続けてきたパスタに回帰するほど混乱してきたので、

とりあえずみんな唐揚げとか言っておいたらいいと思う。

 

エッセイ

Posted by ayapan